尿や膀胱のことでお悩みの方へ

泌尿器科のイメージ画像

泌尿器科は、腎臓や尿管、膀胱など、尿の産生から排尿に関連する臓器に生じる病気を主に扱う診療科です。
さらには、前立腺など男性生殖器も診療範囲に含まれます。
対象とする臓器の形態が男性と女性では大きく異なるため、前立腺肥大のように男性のみの疾患もあれば、膀胱炎など女性に多く見られる疾患もあるのが特徴です。

頻尿について

頻繁に尿意をもよおしてしまう病気です。
起床してから就寝までの間に8回以上もトイレに行く「昼間頻尿」と、就寝後から起床までに1回以上トイレに行く「夜間頻尿」があります。
但し、その日の気候条件や食事・飲食の内容によっても尿意は変わってきますし、もともと個人差もあります。
従って、昼間に8回以下であっても、ご自身で排尿回数が多いと感じられている場合は、頻尿といえます。

頻尿は水分の摂りすぎが原因ならば、水分を適切に管理することで改善できます。
水分量が適正なのに頻尿となっている場合は、主に薬物療法を行います。
膀胱の収縮を抑制するお薬などを主に使用します。
有効な薬剤がいくつも登場してきていますので、効果と副作用などの出方をみながら、ライフスタイルや症状に合わせて処方が可能です。

尿漏れについて

自分の意思に反し、トイレ以外の場所で尿が漏れてしまう病気です。
医療機関を受診せず、一人で悩まれている方も多いようですが、尿漏れ症状は非常に多く、女性高齢者の約30%、男性高齢者の約15%が罹患していると言われています。
尿漏れは、まず水分を摂取するタイミングを見直します。
原則として就寝前や外出前は摂取を控えますが、尿が濃縮されると膀胱を刺激することになるため、適度の水分は摂取します。
排尿の時間も規則正しく行うようにします。それぞれの患者さんの生活リズムなどを考慮し、尿意を上手くコントロールできるようにするのです。
尿のお悩みはすぐに生死に関わるものではありませんが、こういったコントロールを可能にすることで患者さんに快適な生活をお届けすることも、かかりつけ医の役割であると考えています。

膀胱炎について

膀胱炎は女性に多く見られる病気で、経過により急性と慢性に、発症にかかわる基礎疾患がある複雑性と無い単純性に分類されます。
膀胱炎は「菌の侵入」「菌の増殖」によって生じます。
便秘・下痢・月経・性交などの陰部の菌が増える状況では、陰部を清潔に保ち、性交後には排尿をすることが推奨されています。
「侵入した菌を外に出す」ために水分をこまめにとって排尿をすることや、膀胱炎になった際には、飲水量を増やすことで尿量を増やして菌を尿で洗い流して改善を図るなど、生活上のポイントが複数ありますので、かかりつけ医としてアドバイスが重要となります。
気になる症状がおありの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

前立腺肥大症について

男性には特有の「前立腺」という生殖器があります。
これは、膀胱の下にある栗の実ぐらいの大きさの臓器で、前立腺液を分泌し、前立腺液は精液の一部となり、精子を保護したり、精子に栄養を与えたりし、その運動機能を助けています。
前立腺肥大症は、この臓器が肥大化し、排尿トラブルを引き起こす病気です。
加齢とともに罹患率は増加しており、50歳で約30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%の方に前立腺の肥大状況が見られますが、その全てで治療が必要となるわけではありませんが、気になる方はまずは当院にご相談ください。

過活動膀胱について

膀胱が必要以上に過敏に活動することで、頻尿が起こる病気です。
水仕事を行おうとしたとき、水の音を聞いただけでもトイレに行きたくなる、帰宅して玄関のドアノブを握ったとたんにトイレに行きたくなるなどの症状があり、いずれも切迫感を伴い、時に間に合わず漏らしてしまうこともあります。

日本国内で40歳以上を対象とした調査では、12.4%で過活動膀胱症状がみられ、加齢とともにその比率は増加しています。
治療は薬物療法、行動療法(体重減少や適量飲水指導、膀胱訓練など)、骨盤底筋訓練などの理学療法がありますが、当院ではお薬の飲み合わせや副作用などを確認しながら、お一人おひとりに合わせた治療を行います。